まち活やろうよ!

佐谷和江のブログ まちづくりを仕事にしてます 。体験したさまざまなまちづくり活動について書いてます。

14期生の卒業研究その3 居場所づくりは自分たちの居場所探しでもある

2019年6月14日は、江戸川総合人生大学の江戸川まちづくり学科14期生の卒業研究発表の3回めでした。

チーム「それぞれの居場所」が「居場所つくり」をテーマに発表しました。

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まず、知的障害者のための居場所である「みんなの楽校・ポランの広場」ついて、12年間の運営実績を踏まえた紹介・報告がありました。障害者の余暇活動の場であり、表現の場として様々な企画が展開されています。自費で場所を借りていたそうですが、資金が不足して昨年9月から実行委員会形式に移行したそうです。

次に「ひなたぼっこ」が紹介されました。NPO法人江戸川・地域・共生を考える会が、南葛西にある区立あったかハウスで、毎週水・金曜日と月1回土曜日に開催しているデイサービスです。赤ちゃんからお年寄りまで、障害の有無に関わらず、誰もが一緒に身近な地域でデイサービスを受けられることに特徴があるそうです。

3番めに子ども食堂「NUKUNUKU」が紹介されました。NPO法人らいおんハートが運営していて、週3回、3食を提供しているそうです。発表者(男性)は社会活動体験で伺ったところ、始めは何も仕事が与えられず、じっと座っていたそうです。そうすると子どもたちが寄ってきて、将棋しないかと声をかけてくれて、今では引っ張りだこだそうです。子どもと大人の関係づくりが上手な団体だなあ、と思いました。

最後にまとめとして、居場所をサポートすることを通して、自分たちの居場所(生きがい)も同時に探していることに気づいたそうです。

今回の発表はチームとしてというよりは個々の活動の発表でしたが、無理にチームとしてまとまらなくてもいいのではないかと思っています。それぞれが今後も居場所のサポートを続けていくことを期待しています。

 

14期生の卒業研究その2 まちに残るモノを照射することの面白さ

2019年6月7日は、江戸川総合人生大学の江戸川まちづくり学科14期生の卒業研究発表の2回めでした。

「チームみちしるべ」が「歩きながら区内の史跡めぐり」について発表しました。

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まず、区内に残る道標や江戸時代の交通について発表がありました。1600年台のはじめに新川が整備され、区内の江戸時代の交通に大きな影響を与えたようです。

ついで、庚申塔についての説明がありました。60日に1回の庚申講を3年18回続けた記念に建立されることが多いそうです。区内には138あり、形態が多様でタイプ分けされているようです。

次に田島図書(たじまずしょ)などの発表がありました。田島図書は人名で、元は堀田姓で豊臣家の家臣でしたが関ヶ原で敗れ、田島家に居候して、その後、田島姓を名乗って新田開発を始めた人だそうです。

最後に、慈恩寺みちについての発表がありました。小岩を起点としてさいたま市岩槻区の慈恩寺まで続く道について、当時の様子を思い起こさせる道標、お寺、橋など、写真で紹介されました。また、ゲストとして岩槻観光ボランティアガイドの方が来てくれました。

メンバー4名は、自分たちの調べたことを情報提供するとともに、史跡ウォークを開催していきたいと考えているようです。

まちに残る道標や庚申塔などは、日常では見過ごされますが、それを照射すると面白いことがいろいろ出てくるなあと思いました。庚申塔の時に話してくれた「三尸(さんし)」は興味深かったです。(Wikipediaに出てます)

14期生の卒業研究その1 パソコン活用支援と河川改修の歴史 そして江戸川区のハザードマップ

2019年5月31日は、江戸川総合人生大学の江戸川まちづくり学科14期生の授業でした。2年間の総まとめとして、卒業後に取り組む市民活動を想定した卒業研究を発表しました。

前半はモバイルお助け隊が「ボランティア活動者のパソコン活用支援活動」について発表しました。すでに「ふれあいネット」(1998年創設)や江戸川総合人生大学の「パソコンサポートの会」に参加していて、そこでの気づきや、卒業後にさらにいろいろな取り組みに挑戦することを話してくれました。

私からは、手を広げることはいいことだけれども、時に自分を観察して、何に興味のあるのか、何が好きなのかを内省して、やりたい活動を続けてほしいとコメントしました。

後半はT&Tによる「利根川の東遷、荒川の西遷」の発表でした。江戸時代の河川改修について詳細に調べており、江戸川の歴史から現在を見据える内容でした。

私からは、ちょうど江戸川区が出したハザードマップについて紹介しました。

“ここにいてはダメ” 江戸川区ハザードマップに大きな反響

治水や避難については時代とともに考え方が変化しています。卒業研究で歴史を調べるのは、そのことを知る上でも意義があるとコメントしました。

江戸川区ハザードマップは最新の考え方を示しています。区民はもちろんのこと、区外のみなさんも一読してみてはどうでしょうか。

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オリパラに向けたボランティア活動の提案劇!

2019年3月22日は、江戸川総合人生大学の江戸川まちづくり学科14期生の授業でした。5回にわたって「東京オリンピックパラリンピックに向けたボランティア活動の提案づくり」をテーマに授業を行っています。

今回は、最終回として、前回作成したボランティア活動の提案を、3分の劇にまとめて、演じてもらいました。

1番めのグループ「ひまわり」は、「花の街・江戸川」というキャッチフレーズで、カヌー会場の入口となる葛西臨海公園や駅周辺の魅力を高めるため、たくさんの花の丘でいっぱいにしようという提案でした。ボランティア団体で花を植えるだけでなく、企業への協賛も働きかけたいとのことです。小道具がいろいろあって、華やかな劇になりました。

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2番めの「チームきれい好き」は、「Clean up Walking」というキャッチフレーズで、カヌー会場の最寄り駅から会場までをウォーキングしながらゴミを拾うという提案でした。誰でもできるし、オリパラ後も継続して続けられることがウリです。小道具を工夫していてアピール力のある劇になっていました。

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3番めのグループ「チョイボラ案内人」は、「May I Help You」というキャッチフレーズで、オリパラ期間中に、スマホやポケトークを使って葛西臨海公園や西葛西、小岩駅などの駅周辺で案内するという提案でした。外国人役の方の流暢な英語だったので、リアリティのある劇になっていました。

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4番めのグループ「ちいきのわ」は、「水とみどりのオリパラ多文化共生」というキャッチフレーズで、ユニバーサルな民泊をつくるとともに、車椅子聖火リレーを実現したいという提案でした。民泊のための建物は確保している(?)そうです。急遽用意してもらった車椅子は存在感がありましたね〜

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今回で提案づくりは終わりですが、これが種になって何らかの取り組みにつながるよう皆さんとともに私もいろいろ画策してみたいと思います。

 

バリアフリー、ユニバーサルなまちづくりは進んでいるか

2019年3月8日は、江戸川総合人生大学の江戸川まちづくり学科14期生の授業でした。5回にわたって「東京オリンピックパラリンピックに向けたボランティア活動の提案づくり」をテーマに授業を行っています。

今回は、バリアフリー、ユニバーサルの目線でまちを見てきてもらrた宿題の結果を地図に落として、そこから「わがまちの自慢」「わがまちの問題点」を3つずつ上げてもらいました。

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駅の中のエレベーターやホームドアの整備は進んでいるし、駅周辺は歩きやすくなっているが、少し離れると歩道が狭くなっている、子育てしやすい環境にある、川のまちなのに橋はバリアフリーになっていない、外国人への案内表示が少ない、などが出されていました。

皆さんの意見を聞いていると、バリアフリー、ユニバーサルなまちづくりは、駅周辺に関してはかなり進んでいると感じました。ただ、それまでの経路は、歩道が狭く自転車走行が多いようで、障害者や子育て中のバギー利用者が安心して移動できる環境にはないようです。

後半はロール・プレイングの手法を用いて、小学生や全盲の方、外国人在住者、外国人観光客の立場にたって、江戸川区の自慢と問題点を話し合ってもらいました。

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大きな公園はあるけど、身近な公園は遊びづらい、夜も安全、駅前広場の駐車・駐輪が少なく歩きやすいなど、新たな発見が出てきました。

これまで3回は提案に向けての材料集めで、次回からいよいよ提案づくりに入っていきます。

 

 

ふなばし市民大学校のカリキュラム検討に行ってきました

 2019年3月5日に「第3回ふなばし市民大学校カリキュラム検討委員会」に行ってきました。江戸川総合人生大学の講師をしている関係で、この委員になりました。

ふなばし市民大学校|船橋市公式ホームページ

これまでは主に平成31年度のカリキュラムを検討してきましたが、新年度から全体像について検討するため、今回は頭出し的に意見交換しました。

まちづくり学部といきいき学部に分かれていて、まちづくり学部が江戸川総合人生大学に近い社会貢献する人材を育成するタイプで、いきいき学部は一般教養や健康、パソコン、陶芸、園芸など、趣味やいきがいづくりを目的とするタイプです。それらの目的や、ひいては市民大学校全体の目的をもう一度、再検討していきます。

資料の中に、昨年12月に中教審が出した「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」という答申がありました。

人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(答申)(中教審第212号):文部科学省

その中に「ネットワーク型行政の実質化」という項目があり、これがなかなか面白いタイトルだなと思いました。ふなばし市民大学校教育委員会が所管していますが、教育委員会だけでは実際の市民活動につながらない、いわゆる卒業後の出口戦略が難しいことが悩みだと思います。なので市民協働課とか地域福祉課等の他の行政部門や、企業、大学とつながることが重要だと思います。委員会ではそのことをいろいろ提案しました。

「実質化」というタイトルが示すように、概念的には分かっていても、実現は難しいところがありますが、ぜひ、ネットワークを強化してほしいと思います。

もう一つ、中教審の答申の中で、図書館などの社会教育施設教育委員会の所管から首長の所管にすることを特例で許可するというのも面白いというか、いまさら特例なのかとちょっと驚いたところでした。

図書館などは、いろいろおもしろい事例がでてきています。例えば神奈川県大和市シリウスは、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場などの複合施設とし、規則で縛らないことで市民の居場所として機能しているようです。

規則で縛らない「図書館」に人が集まる――大和市の複合施設「シリウス」 | 新・公民連携最前線 PPPまちづくり

また、八戸市の公営書店である八戸ブックセンターは、これからの時代にふさわしい本に関する公共サービスを提供しようとしています。

八戸ブックセンター

このような動きの中では、首長の所管にすることを一般化してもいいのではないかと思います。

ともあれ、ふなばし市民大学校でも、これからの時代にふさわしいあり方を検討していければと思っています。

 

 

残すべきレガシーとは?

2019年3月1日は、江戸川総合人生大学の江戸川まちづくり学科14期生の授業でした。5回にわたって「東京オリンピックパラリンピックに向けたボランティア活動の提案づくり」をテーマに授業を行っています。

■2020喝采(葛西)三匹のおっさんによる講義
第2回目は前半は、卒業生のオリパラの取り組みを13期生の「2020喝采(葛西)三匹のおっさん」に講義してもらいました。江戸川区が会場となるカヌー・スラロームと、ホストタウンのオランダの認知度を上げることを目標に取り組んでるそうです。
ちなみに、オリンピックでは、カヌーはスラロームとスプリントに分かれていて、江戸川区ではスプリントが、江東区の海の森水上競技場ではスプリントが行われるそうです。パラリンピックスラロームはないそうです。
三匹のおっさんでは、葛西臨海公園沖でカヌーの体験を働きかけ、既に実施したそうです。また、オランダと江戸川区は、平地+水辺が多いという類似性があり、水辺の利用や自転車のさらなる普及などを考えているそうです。

■残すべきレガシーを考えよう
後半は4つのグループに分かれて残すべきレガシーを考えました。
スポーツをテーマとした班は、競技のプロ化やクラブスポーツとしての推進を図ることで会場を活用していくことが提案されました。
観光をテーマとした班では、カヌー施設だけでは観光として弱いので、葛西臨海公園の魅力を高めたり、水上バスなどを充実することが提案されました。

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オランダをテーマとした班では、オランダと江戸川の花を融合させるなど、融合を進めることが提案されました。
多文化共生をテーマとした班では、アプリで各国語で案内する仕組みをつくり、観光客や区に住む外国人の支援をすることが提案されました。

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30分ぐらいのグループワークでしたが、意義があり実現可能性の高い提案が出されたました♪